FPGA デジタルFMチューナ(FMDDC-3) DAC検討(その1)


最終的にはFPGAの各種設定をマイコンからコントロールする予定ですが、初期設定でも特に使用に問題ないことから、取り合えずハードを先に進めてFMチューナとしてまとめることにします。(今のままでは上蓋が閉まらない)

ハードで残っているのはSPDIF出力とDACの搭載。SPDIF出力は光出力より同軸出力の方が音が良いと言われています。それとトスリンクの四角の穴を開けるのも大変なので、今回は同軸出力だけにしました。この同軸出力はグランドを切り離す意味でパルストランスが必要です。FPGA基板から一度ドライバを介してパルストランスを付けました。パルストランスは音質的に検討されているJPCのDAH-03を使用します。このトランスは販売店では入手できませんが、JPCに問い合わせをすると個人でも売ってくれます。(購入個数制限もないとか)

 

次は大物のDACチップの検討です。

現在最高峰と言われているDACチップは、ESSのES9038PROと旭化成のAK4499の2つです。両方とも32bitで複数のDACを内蔵しています。

いろいろ調べたらES9038PROは販売店からは入手できず、代理店の商社から購入するようです。しかも1、2個では販売せず、購入するには数十個単位の最低個数があるようです。詳細仕様書を入手するにもNDAを結ばなければいけない、ということで、買えそうもないかことからES9038PROはあきらめました。。

次のAK4499は旭化成製です。旭化成も扱っている販売店は少ないです。日本での販売店ではまだないようで、個人で入手可能なのはDigikey からになります。こちらは1、2個でも購入可能ですので、今回FMDDC-3に搭載するDACチップはAK4499にすることにしました。

 

出来ればAK4499を2個使用したデュアルモノで使いたいところですが、電源やIV変換部など回路が大げさになり過ぎになることから、普通のステレオ仕様にしました。これでもダイナミックレンジは137dBと、もの凄い特性です。

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AK4499の仕様書内に推奨回路があります。基本的にこのまま使用しますが、変更したところはオフセット用の電源を別に用意しました。使用するOPアンプで音も変りますが、IV変換部だけは出力電流の関係でOPアンプが限られます。推奨回路のOPA1611を使用します。その後のシングルエンド変換用のOPアンプは後で音を聞いて決めることにしました。

下記がブロックダイアです。

これを元に回路図と基板を製作します。

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基板を作る前に実物を見ていた方が良いだろうと言うことで、早速AK4499を入手しました。ご覧のように、ピン数が多く、ピンピッチも狭いです。これは半田付けに苦労しそうです。

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つづく