6C33C 金田式 ハイブリッドOTLアンプ(その3)

基板が出来上がってきました。ドライブ基板、DC検出制御基板、SP保護リレー基板の3種類です。

昔は生基板にマジックインクでパターンを描き、その後塩化第2鉄液で°銅箔を溶かして作っていました。今は手を汚さず綺麗な基板ができるようになりました。

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一番大きな下の基板がドライブ基板です。このドライブ基板は特別に銅箔を通常の2倍(2oz)にしました。

上の左側の基板は保護回路基板です。DC検出部と制御部を一つの基板にしました。

一番地小さな基板がスピーカ保護用のリレー基板です。

早速組立てに入ります。

 

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やっと全部の部品が揃い組み立て完了です。

半導体以外は再利用ですが、一つ真っ黒に焦げた抵抗がありました。随分電流が流れたようで半導体も壊れているでしょう。右の抵抗は正常です。

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また失敗が一つ。入力段の差動FETのドレイン、ソースの向きを逆にしたため背中同士の配置になってしまいました。写真でご覧のように銅箔テープで貼り付けて熱結合するようしています。基板の裏側には調整用のボリュームを取付けます。ボリュームはシャーシの上から調整ができます。
フィルムコンデンサーはパナソニックのPPSコンデンサー、入力のデカップリングコンデンサーは神栄のPPSコンデンサーを使用しました。
この組立て基板をケースに取付けます。

(つづく)

 

 

 

6C33C 金田式 ハイブリッドOTLアンプ(その2)

回路図がないと先に進めませんので、製作記事が載っている2002年8月号の無線と実験を入手しました。この製作記事の内容と現物を照らし合わせ、ほぼ忠実に再現されていることが分かりました。

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その後はネットからの情報入手です。あるホームページには、雑誌の回路図には誤植があって、完成まで苦労したことが書かれています。こいう記事は助かります。もう一つ参考になるホームページがありました。内容は、雑誌の回路図には半導体の最大損失をオーバーした使い方をしている、との指摘です。製作者もオーバーしていることは認識しているようで、小型放熱器を付ければクリアーできる、と書かれています。今までの経験からこの位は大丈夫というわけです。でも、このような使い方ではいつ壊れるか心配です。できれば最大値は超えない使い方が無難です。

親切にも指摘しているホームページ(→ここ)には対策した改修後の回路図がありました。ツェナーダイオードで電圧をシフトし、半導体の損失を緩和しています。作り直すなら、この改修回路にすることにします。

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上の写真はアンプに使用されていたドライブ基板です。ジャノメ基板に作られています。裏の配線が凄いですね。トランジスタを交換した跡があります。調整用の半固定抵抗の位置合わせが難しそう。

作り直しはCR類のみ再利用して半導体は新品にします。ただ、このようなジャノメ基板で作り直しをするのは、そのやる気と正確にできる自信がありません。パターン化して基板を作る方が確実です。

 

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上が今回作り直す回路図です。オリジナルとの違いは、入力にDCカット用にカップリングコンデンサーを追加しました。DC漏れしたセットが繋がれた場合を考えて入れています。ただ、ここは音質に大いに影響しますので、慎重に部品の選定をします。

CADに回路図を書き込みましたので、後はパターン作成です。

保護回路にも問題あるようなので、ここも作り直します。スピーカ保護用のリレーも必要と思いますので追加します。

(つづく)

6C33C 金田式 ハイブリッドOTLアンプ(その1)

昔6C33Cが市場に大量に出回ったとき、2箱(18本)手に入れています。何時かはOTLアンプでも製作しようと考えていましたが、最近は一から製作する気力はなくなりました。

たまたまヤフオクを見ていると、6C33Cを使用した金田式のOTLアンプがジャンクとして出品されていました。商品説明では、電源を入れると異臭がして、片方から歪んだ音が出ると、なにやら曰く付きのアンプです。雑誌に製作記事が出てから20年が経ちます。そろそろ当時製作したアンプもいろいろ不具合が出て来る時期です。一番大変なシャーシー加工もいらないし、真空管はあるので、後は電源トランスと大型の電解コンデンサーがあれば何とかなります。と言うわけで、気合いを入れて落札しました。

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6C33Cは4本付いていましたが、多分この球は使えないでしょう。Rコアトランスがデカいのには驚きです。この大きさのトランスは今は特注しか手が入らないでしょう。フロントとリアパネルには綺麗に印字されています。

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リア側です。,部品は良い物が使われています。ACコードが赤黒ケーブルですが、DCケーブルのようで何となく違和感があります。ホット側を分かりやすくするためなのでしょうか? 電解コンデンサーもデカいですね。

このまま電源を入れるのは怖いので、中を見てみます。

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案外まともに作られていました。半田付けも綺麗です。ただ、ドライブ基板は何度も半田付けをしたような痕があり、悪戦苦闘をしたようです。電解コンデンサーの端子が底板に接触しそう(左側)で、ビニールテープで絶縁しています。タイマーリレーが付いていません。商品説明では、音が出ているとのコメントですが、リレーがなくても動作するのかな?

配線は全部されているようですが、ドライブ基板は見直した方が良さそうです。

取り合えず回路図が必要なので、製作記事が記載されている雑誌を手に入れることにします。

(つづく)

FPGA デジタルFMチューナ(FMDDC-3) DAC検討(その2)


やっとAK4499を乗せたDAC基板が動き出しました。動作しない原因が中々見つからず、悪戦苦闘しました。結局は半田ブリッジが原因でした。AK4499はピン数が多く、しかもピン間隔が狭いため、ピンの根元で半田ブリッジが発生しやすく、見つけるのに苦労しました。

下の写真がAK4499を載せたDAC基板です。AK4499の周りには大きな電解コンデンサーが載っています。

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AK4499はI2Cでマイコンから制御します。レジスタは24bitのI2Sに設定する以外は殆どディフォルトで動作しました。

下の写真がケースに搭載したDAC基板です。まだ最終確認が出ていないため、ケーブル類は綺麗に納めていません。

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先ずは音出し成功。

つづく

 

FPGA デジタルFMチューナ(FMDDC-3) DAC検討(その1)


最終的にはFPGAの各種設定をマイコンからコントロールする予定ですが、初期設定でも特に使用に問題ないことから、取り合えずハードを先に進めてFMチューナとしてまとめることにします。(今のままでは上蓋が閉まらない)

ハードで残っているのはSPDIF出力とDACの搭載。SPDIF出力は光出力より同軸出力の方が音が良いと言われています。それとトスリンクの四角の穴を開けるのも大変なので、今回は同軸出力だけにしました。この同軸出力はグランドを切り離す意味でパルストランスが必要です。FPGA基板から一度ドライバを介してパルストランスを付けました。パルストランスは音質的に検討されているJPCのDAH-03を使用します。このトランスは販売店では入手できませんが、JPCに問い合わせをすると個人でも売ってくれます。(購入個数制限もないとか)

 

次は大物のDACチップの検討です。

現在最高峰と言われているDACチップは、ESSのES9038PROと旭化成のAK4499の2つです。両方とも32bitで複数のDACを内蔵しています。

いろいろ調べたらES9038PROは販売店からは入手できず、代理店の商社から購入するようです。しかも1、2個では販売せず、購入するには数十個単位の最低個数があるようです。詳細仕様書を入手するにもNDAを結ばなければいけない、ということで、買えそうもないかことからES9038PROはあきらめました。。

次のAK4499は旭化成製です。旭化成も扱っている販売店は少ないです。日本での販売店ではまだないようで、個人で入手可能なのはDigikey からになります。こちらは1、2個でも購入可能ですので、今回FMDDC-3に搭載するDACチップはAK4499にすることにしました。

 

出来ればAK4499を2個使用したデュアルモノで使いたいところですが、電源やIV変換部など回路が大げさになり過ぎになることから、普通のステレオ仕様にしました。これでもダイナミックレンジは137dBと、もの凄い特性です。

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AK4499の仕様書内に推奨回路があります。基本的にこのまま使用しますが、変更したところはオフセット用の電源を別に用意しました。使用するOPアンプで音も変りますが、IV変換部だけは出力電流の関係でOPアンプが限られます。推奨回路のOPA1611を使用します。その後のシングルエンド変換用のOPアンプは後で音を聞いて決めることにしました。

下記がブロックダイアです。

これを元に回路図と基板を製作します。

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基板を作る前に実物を見ていた方が良いだろうと言うことで、早速AK4499を入手しました。ご覧のように、ピン数が多く、ピンピッチも狭いです。これは半田付けに苦労しそうです。

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つづく

FPGA デジタルFMチューナ(FMDDC-3) ケース製作中(完成)

マルチパスを表示するTFT液晶部分に貼ってあったスモーク色のシートを透明シートに変更しました。当たり前ですが、マルチパスの状態がハッキリ見えるようになりました。

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電源スイッチの配線も済ませました。電源ON 時に周りが白く光ります。スイッチのボディが黒ですので、点灯するとそれなりに目立って黒でも良かったようです。

下の写真が前面から見た全体写真。

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それにしてもマルチパスは殆どなく、このDU比の値は何なのでしょう? 全チャンネルこの状態です。CATV局がマルチパスの対策をしているのか、よく分かりません。 

これで第一目標のケースインの完成です。

この後は、

   ①MENU画面から各種設定ができるようプログラムの作成。

   ②DACの内蔵。

 

FPGA デジタルFMチューナ(FMDDC-3) ケース製作中(その4)

8個のメモリーチャンネルに周波数と放送名を組み込んで、シリアル通信で制御してみました。汎用品ではないので固定です。

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ここでまたまた反省点が二つ。 

左側の周波数表示は自己発光のOLEDを使用していますのでハッキリに見えますが、右側のDU表示はTFT液晶なので暗くて見づらいです。上の写真では真っ黒に写っています。前面にスモーク色のシートを貼りましたが、透明シートの方が良さそうです。後で交換です。

もう一つが電源スイッチです。ご覧のように黒色のスイッチです。単なる注文の間違いです。買い換えるのももったいないのでこのまま使用します。

 

FPGAチューナから受信レベルとDU比の取得もやってみました。OLEDの表示部は下記の写真になります。

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取り合えず上側の8個のメモリースイッチで選局できるようになりました。

ソフトを組むのは自己流なので、まだバグだらけです。

つづく